大川印刷 工場見学
アース・エコと環境学習リーダー会エネルギー部会とで共同開催している勉強会の一環として、9月4日(水)、横浜市戸塚区の株式会社大川印刷を訪問し、工場見学を行いました。参加したのは8名でした。
大川印刷は、2005年に現社長の大川氏のトップ就任以来、「環境印刷」を経営理念に掲げ、様々な活動を行ってきました。最近ではいち早くSDGsを経営計画に取り入れて経営の指針としています。
(社屋の屋根には太陽光発電が)
「環境」に対しては、人体や環境に有害な揮発性有機化合物を含まないインキの導入を進めたり、違法伐採されていない木材を紙の原料としていることを森林管理協議会が認証した紙の使用を増やしたり、太陽光発電の導入などにより電気使用によるCO2排出量の削減に取り組むとともに、クレジットによるカーボンオフセットによりCO2ゼロ印刷を達成したりしています。こうした活動が評価され、SDGsアワードや低炭素杯などの様々な賞を受賞しています。
工場見学では、揮発性有機化合物を含まないインキを使用するとともに消費電力を大幅に削減した最新式のLED-UV印刷機などの様々な設備を見学したり、60年以上も前に使われていたレバーを手で引いて印刷する印刷機でコースターの印刷を体験したりしました。見学途中で細かな質問をすると、現場で作業中の方が仕事の手を止めて丁寧に説明してくれて、「仕事に差し障りがあったのでは。」と後で心配になるほどでした。
SDGsのロゴが工場のラインごとに表示されていて、その作業を通じて何を達成しようとしているのかが明確でした。説明や案内をしてくれたスタッフの皆さんの話からも社長の「環境印刷」の理念が社員の隅々まで浸透していて全社一丸となって取り組んでいることが分かりました。
経営資源に余裕が少ない中小企業ではCSRを目的に環境やSDGsに取り組むのは難しいと思いますが、従業員が40名に満たない企業でありながら、環境やSDGsを経営理念の中心に据え、それを企業の強みとしてアピールすることで取引先や社会の評価を得て業績の向上に繋がっているのは驚きでした。このような企業が増えることを期待したいと思います。ボランティア活動を行っている私たちにとっても参考になることが多く、大変勉強になりました。