なるほど! 体験出前教室、葉山町内の小学校
1月13日(金)、葉山町内の小学校で6年生1クラス30名を対象に、「なるほど!体験出前教室~びっくり!手のひら発電~」の出前授業を行いました。参加した講師・スタッフは6名です。今迄に行った「なるほど!体験出前教室」は理科クラブが対象の45分の授業でしたが、今回は6年生が対象の90分の授業です。前半は「地球温暖化の現状と対策」に関しての映像を交えた話、後半は「手のひら発電」の実験を主体とした構成で授業を進めました。
初めに、児童に「地球温暖化について知っていることを聞かせて」との投げかけには無反応。少しずつ話を進めて行くと、「地球の温度が上がってきた」、「二酸化炭素の影響」とつぶやくような発言が聞こえてきて、授業が始まりました。授業前半は「地球温暖化、今何が起きているか」のビデオを上映しました。大気中に二酸化炭素を増加させているのは人間の生活が原因、このままの生活を続けると2100年の世界はどうなるかを示すシミュレーション映像、さらに世界の動向の話をしました。
二酸化炭素を多量に出す火力発電に対し、二酸化炭素をほとんど出さない太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギー。「手のひら発電」も二酸化炭素を出さない再生可能エネルギーのひとつに位置付けられます。授業後半は、表題の「手のひら発電」の実験体験のスタートです。
今年度、「手のひら発電」の実験を行うのは、昨年10月の横浜市内の小学校に続き2回目です。アース・エコのメンバーからも多くの指摘や提案を貰いながら、より良い授業にしたいとの思いで毎回改良を重ねています。
実験1 二本の針金でゼーベック効果を体験(熱⇒電気)
異なる二種類の金属の針金をねじり合わせ、一端をライターの火で熱すると電気が起きる事を体験しました。今まではドライヤーを使って熱していましたが、ライターの火に変更したことで、火からの距離を変える事で簡単に温度を変えることができ、高温と低温とでの電圧の違い、針金の金属の種類による電圧の違いなどのデーターを容易に取り込めました。
実験2 ゼーベック素子を用いてゼーベック効果(熱⇒電気)を体感
主題の「手のひら発電」です。小さい温度差でも比較的大きな電圧が得られるゼーベック半導体素子を使います。手のひらの体温と保冷剤の温度差で発電し、プロペラ付きモーターを回す実験です。児童の手のひらに半導体素子を置き、その素子の上に冷たく凍らせた保冷剤を載せるとモーターが勢いよく回りだしました! 感動で手をたたく生徒も!
実験3 同じゼーベック素子を用いてペルチェ効果(電気⇒熱)の体験
逆にゼーベック半導体素子に電気を与えるとどうなるか? 1人が半導体素子を両手の手のひらで挟み、もう1人が半導体素子に繋げた手回し発電機を一生懸命回すと、素子を持った子が不思議そうな顔。声が出てきません。半導体素子の片面が温かく、反対側が冷たくなったはずです。手回し発電機を逆回しすると電圧のプラス/マイナスが入れ替わり、冷温が入れ替わりました。ただただこの不思議を無言で感じ取る様子が多く見られました。
最後にこの授業の感想を聞くと、児童からは「今、地球温暖化でこんなに厳しい状況とは思ってもいなかった」、「実験は楽しかった」との声が多く聞かれました。担当の先生からは「異種金属の温度差発電の実験では、なかなか内容についていけない児童が多いように感じた。ゼーベック半導体素子を用いた実験には大いに感動、楽しさを感じた様だった。」とのご感想を頂きました。
今迄の「なるほど!体験出前教室」は理科クラブの授業で実験だけでしたが、今回は6年生の通常の授業で、実験だけでなく地球温暖化の話もできました。これからを生きる子供たちのために地球温暖化を知ってもらう授業を行う重みを改めて感じました。実験1の異種金属の温度差発電は地味な実験に成りやすく、もっと検討を重ね、より楽しく興味を持てるようにする宿題を頂きました。以前の理科クラブの授業では、児童から「理科が増々好きになりました」とのコメントがありましたが、このような児童がたくさん出てくれることを目指します。