なるほど!体験出前教室、葉山町内の小学校

 1月27日(金)、葉山町内の小学校でクラブ活動の4~6年生26名を対象に、「なるほど!体験出前教室~びっくり!手のひら発電」の出前授業を行いました。参加した講師・スタッフは7名です。
 コロナ等の影響も有り、葉山町内の小学校の理科クラブでこの授業を行うのは3年振りです。今年度、手のひら発電は葉山町内の小学校3校からご希望を頂き、今回が3校目、最後の授業と成ります。
 先生が黒板にどこのテーブルで各児童が実験をするか、座る席を書かれていました。6年生6名、5年生4名、4年生15名です。多くが4年生のため、異種金属の温度差発電の実験は少々難しい内容かと不安が有りましたが、先ずは現象の不思議を少しでも感じてくれることと、実験を楽しんでくれたらな、との思いでスタートです。

理科室で出前授業
今回はサブ講師も教壇に立つ

実験1.二本の針金でゼーベック効果を体験(熱⇒電気)

 二種類の異なる針金の先端をねじり合わせた部分をライターで5秒間熱し、その時に起きる電気の一番大きな数値を記録してもらいます。それぞれ4種類の金属の組合せ毎に、ライターで熱する距離を5cm、2cmと変えた時にどんな違いが起きるかを考えてもらう事を目標としました。実験の後、「針金の種類、ライターの距離の違いでどんなことが分かったか?」の問いかけに、答えはなかなかかえって来ませんでした。テスターの値を読み取る事と、用紙に値を書く事で精一杯だったようです。

二種類の針金をねじり合わせて先端をライターで加熱

実験2.ゼーベック素子を用いてゼーベック効果を体感(熱⇒電気)

 主題の「手のひら発電」です。温度差で発電が大きくなるゼーベック半導体素子を使います。手のひらの熱と保冷剤との温度差でプロペラ付きソーラモータが回りだす実験です。児童の手のひらにゼーベック半導体素子を置き、その素子の上に保冷剤を載せるとソーラモータ―が勢いよく回りだしました! 今迄の他校と同じく皆楽しそうな様子!

保冷剤、半導体素子を重ねて上から手のひらで押さえる

実験3.同一のゼーベック素子を用いてペルチェ効果の体験(電気⇒熱)

 ゼーベック半導体素子に電気を与えるとどうなるのかな? 1人が半導体素子を両手のひらで挟み、もう1人が手回し発電機を一生懸命回すと、素子の片面が暖かく、反対側が冷たく成る事に不思議そうな顔。次に手回発電機を反対に回すと暖冷が入れ替わるこの現象に、他校と同じく不思議と楽しさを十分感じてくれた様子!

手回し発電機の電気を半導体素子に加える

 最後にこの授業の感想を聞くと、「身近な金属で電気が起きるなんて不思議だった。」、「最初の針金の実験は難しかった。でも楽しかった。」と。担当の先生からは、「異種金属の温度差発電の実験では4年生が主体だったからか、なかなか内容についていけない児童が多いように感じた。実験2、実験3のゼーベック素子を用いた実験には大いに感動し、楽しさを感じた様。」と。
 今回の授業では、いかに子どもたちをこの実験に引き込めるか、理科への関心と興味を増す授業を目指して、楽しい実験にしようとの思いで今年度の授業を終えました。